思想・パラダイムの引き出し

古今東西の思想・哲学・宗教など(教え、ものの見方・考え方)から学んだことを、 自分用に要約して記録した覚書き(忘備録)集。

「傾聴」の極意

傾聴とは?

  • カウンセリングやコーチングにおける、
    コミュニケーションスキルの一つ。

    人の話をただ聞くのではなく、注意を払って、より深く、
    丁寧に耳を傾ける
    こと。

    自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手が話したいこと、
    伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に “聴く” 行為や技法を指す。

    それによって相手への理解を深めると同時に、
    相手も自分自身に対する理解を深め、

    納得のいく判断や結論に到達できるようサポートするのが、
    傾聴のねらいである。

    コトバンクより-

“聞く”と「聴く」の違いって?

聞く” というのは、相手の話を耳だけで聞くこと。

それに対して「聴く」は、” という字も入っているように、
相手の話を聞くだけでなくそこに込められた「心を聴く」ことです。

自分の判断を加えずに、相手の心(感じている世界) “” に映し出すように、
ただただ耳を傾けて聴く
のが、傾聴の基本スタンスです。

この「傾聴」を通して、人の気持ちや考えなどを理解できるようになると、
(聴き手は)人としてより “豊か” になったと感じられるようになります。

なぜなら、自分が一生のうちにできる経験を超えて、
他人の経験からも学ぶことができるからです。

また傾聴は、相手に安心感を与えるので、
人(他者)から好感を持たれ、信頼されるようにもなります。

「傾聴」を身につけるためには?

まず話し手に “興味” を持って、
話し手が伝えようとしていることを理解しようと、

積極的な態度で耳を傾ける姿勢が、前提になります。

そして、相手が発信してくるメッセージを、五感を働かせて受け止め、
相手の “感情” を(自分ごととして)味わうのです。

そうした「共感的理解」ができるようになるには、想像力が必要になります。

そのためには、日頃から多くのものに興味を持ち、
視野を広げ、自分を鍛え、想像力を豊かにしておきましょう。

  • 相手の現在だけではなく、過去・未来にも目を向けて
    愛を持って(抽象度の高い視点で)見つめることが、さらなる傾聴の極意。

「傾聴」でやってはいけないこと

傾聴の心得として重要なポイントは、

  • 自分の意見を言わない」こと。
  • 正論をふりかざさない」こと。
  • 自分のものさしを当てない」こと。

人の話を解釈をしたり、評価したりする必要はありません

あくまで、話し手の “心の声” を聴くことに徹します。

そして、「話の流れに身を任せる」こと。

結論(解決策)に導こうとしなくても、聴いてあげることで
大半は解決に向かいます。

もしあなたが本当に相手のためだと思うなら、説教や叱責ではなく
心配している “気持ち” を率直に伝えてみるだけでいいのです。

  • もしうっかり、自分の解釈や意見を言ってしまった場合でも、
    すぐに傾聴モードに修正すればOK。
    完璧にこなそうとするより、相手の心の声を聴くことに集中しましょう。

結局、聴き手は何を話せばいいか?

そうすると、聴き手の “発言” (おの)ずと

  • あいづちを打つ(反応する)

  • 相手の感情・気持ちに共感する。

    例)「つらかったんだね」「寂しかったね」

  • 相手の話を確認する。

    そのまま相手の言葉を繰り返す。

    または、コチラの言葉で言い換える「つまりこういうこと?」

といった、反応・共感・確認だけになるでしょう。

反応と共感は、相手の “心の声” 受容することだと言えます。

つまり傾聴する際のレスポンス(応答)は、受容と確認だけでいいのです。

お互いが自分のことを好きになれる

そうした正しいやり方で「傾聴」を行うことで、

わたし(聴き手)だけでなく、話し手の “相手” も、
自分が「受け入れてもらえた!」と、自信が持てるようになり、
自分のことが好きになれます。

自分を好きになって、自分を大切にできるようになれば
他者のことにも興味を持って、信頼しようと思えるようになります

そうなると、私たちが本来、魂のレベルで求めている
自己実現(※)」への衝動に自然と身を任せられるようになるのです。

  • 理想の自己を実現していくこと。
    自分の可能性・才能をフルに発揮しながら努力を続けて、
    自分らしい理想の人生を、社会生活において実現すること。

傾聴を身につけ、実践することは、
みんな(自分および他者)を幸福へと導くことにつながります。

傾聴はまさに、人間の素晴らしい “英知” であるといえるでしょう。

※付録:違いを尊重する『敬聴』

相手の心(感じている世界)を鏡に映し出すように、
ただただ耳を傾けて聴く(受容し確認する)のが「傾聴」。

その傾聴を基本スタンスとして、
さらに相手のことを、より具体的に理解したい際に有効なのが
敬聴」です。(敬聴というのは造語のようですが...)

その傾聴ならぬ「敬聴」とは、

相手と「同じ」ではなく「違い」を探して
なぜ、自分とは「違う」意見や考え方・価値観を持っているのかを
聴く
教えてもらう)こと。

すべての人に自分とは違うモノの見方・考え方がある
という事を前提として「なぜ?」の質問をしてみるのです。

誰かと話をするときに、「ん?」と疑問に思ったり、
「えっ、違うでしょ!」と思ったりしたなら、

その相手がどうしてそう考えるのか、
「なぜ?」を素直に聴いて(=教えてもらって)みてください。

その「違う」を知る(=教えてもらう)ことで、
新たな何か(相乗効果)が生み出されます。

 相手を知るだけでなく、自分を知ることにもつながります

 

この記事は、『はじめての傾聴術ほか傾聴関連の本から
学んだこと(ポイント)を、自分用にまとめて記録した、
覚書き(忘備録)のようなものです。

もし、「この “傾聴” を取り入れてみたいなぁ」と思われたなら、ひとまず

あなたの(心の)引き出しに、こっそりと閉まっておいて頂ければ...